未経験からWebライターを目指す人なら誰もが利用する（といっても過言ではない）クラウドソーシング。
たくさん仕事を受注して評価も高いライターは、プロフィールに金色銀色のマークがついていたりする。
いつかわたしもそうなれたらいいなと思っていた。
しかしいざ利用してみると、手軽なようで手軽じゃない。
ガンガン受注してバリバリ働くなんて無理だと悟った。
本記事では「クラウドソーシングって実際どうなの？」といったところを、一個人の体験談として率直に記してみようと思う。
書きたいジャンルで募集がない
クラウドソーシングサイトに登録し、プロフィールを作成したらさっそく仕事探しに入る。
まず基準とするのはもちろん「何について書くのか」
わたしはここでさっそくつまづいた。
書きたいジャンルで募集がない。
仕事経験を活かしてビジネス記事を書きたかった。
検索キーワードを変えて何度試しても一向にヒットせず。
こうなると、その日の仕事探しは終了だ。
書きたいジャンルにこだわってばかりでは仕事にありつけない。
前もって需要のあるジャンルを調べておき、それに合わせて下準備を進めるという対策もひとつある。
かといって興味のないジャンルを引き受けると苦労する。
そこらへんがなかなか難しい。
当時はYouTubeのシナリオ（台本）作成が人気だった。
このブログを書きながらちょこっと検索してみたが、現在もたくさんの募集が上がっている。
わたしもとある案件に応募する寸前までいったが、視聴者ウケをねらえるようなネタ・文章を生み出す自信がなく断念した。
AIの力を借りればいくらでもできるのだろうけれど。
仕事ではない案件がまぎれているかも
書きたいジャンルで辛抱強く検索し続け、やっとよさそうな案件を見つけた。
開くと仕事の詳細が出てくる。
どんなことを書くのか、どこに掲載されるのか、文字数や納品期限に無理はないか、報酬は妥当か、など。
隅から隅まで目を通し、ちゃんとした仕事かどうかをチェックする。
「ちゃんとした」の基準は人によって違うだろうが、まず注意したいのは
この案件は仕事なのかどうか
というのも
中には仕事なのか何なのかわからないものもあるからだ。
たとえば
- Webライターを目指したい人におすすめ
- 勉強・成長できます
などという文言があれば、もはや仕事募集ではない。
こういったものは高額講座に誘導される可能性がある。
あやしい講座に誘導されそうになった話
参加していたライターコミュニティで「クラウドソーシングは詐欺案件も多いから注意するように」と教えられた。
わたしは被害に遭ったことはないが、ひっかかりそうになったことはある。
クラウドワークスで受注できる仕事には「タスク形式」という種類がある。
簡易なデータ入力作業やアンケート回答など、スキマ時間に小遣い稼ぎができるようなものだ。
なかなかWebライティングの仕事が見つからず、試しにタスクでもするかと軽い気持ちで「HSPに関するアンケート」をやってみたときの話。
タスクに採用不採用はないため、応募すればすぐに仕事ができる。
アンケートに答えて5円ほどの収入を得た直後、発注者からメッセージが届いた。
内容は「本を出しませんか？」というもの。
アンケートの中に「自分の本を出してみたいと思うか」という項目があった。
Webライターを目指すなら可能性としてなくはない。直感でチェックを入れたのだった。
チェックを入れた人にだけメッセージを送っているのかどうなのかはわからない。
要するに誰もがとっつきやすいアンケートという入り口を使って高額講座に誘導する手口だと気づいた。
メッセージは無視し、二度とタスクに応募することはなかった。
もちろんタスクすべてがあやしいというわけではない。
詐欺案件が多いという話も人から聞いたもので、身をもって経験したことはないので詳しくはわからない。
ただ、上記の経験から
明確に仕事を募集しているかどうかを見きわめることは重要だと学んだ。
応募条件を満たしているか
案件によっては応募条件を設けている場合もある。
「◯◯の資格がある人限定」や「◯◯の仕事を経験したことがある人限定」などの記載だ。
条件は気にしなくていいと言う人もいる。該当しなくても採用されたという話も聞く。
それでもわたしは条件を満たさなければ断念していた。
後述するが応募文の作成は大変なので、なるべく余計な労力を使いたくない。
それに万が一採用された後のことを考えれば、やはり実力に合ったものだけにしぼるのが安全策かなと思う。
逆に「初心者歓迎」とわざわざ書いてある案件も応募をためらった。
自分が発注者の立場なら慣れている人に頼むだろう。予算の無駄遣いは避けたい。
経験者に限らず広く募りたいという気持ちがあったとしても、歓迎してまで初心者を選ぶことはない。
何か別の魂胆があるのではないかと、つい疑ってしまう。
発注者の調査
発注者についても入念に調べる。
わたしは実態のある企業にしか応募しなかった。
国税庁の法人検索で登録があるか確認。
さらにホームページがちゃんとしているか、現在も更新されているか、などをしつこく調べた。
相手からすれば、わたしのほうこそどこの誰とも知らない個人なのだが。
ここまでする必要があったかどうかはわからない。
順調に仕事を獲得しているライターからすれば「やりすぎだ」と非難されるだろう。
それに個人の発注者が悪だと決めつけるようなやり方だが、決してそのようなことはない。
しかし顔の見えない相手と仕事をするのは怖い。
神経質なわたしにはそうするしかなかった。
最後はフィーリング。なんとなくの感覚に頼る。
例えばびっくりマークや☆などの記号が多いとか、やたらワークライフバランスの実現をアピールしてくるとか。
1ミリでも違和感があれば応募しなかった。
応募文の作成
いよいよ応募。
案件選びに相当な時間がかかっているが、本番はここからだ。
応募文の作成にまたまた頭と時間をつかう。
発注者から指定があればそれを守って書く。
なければ自由に書いていいわけだが「応募します」だけではさすがに足りない。
それに未経験者は実績がないというだけで大きく後退してしまうため、わたしはこれが書きたくてたまらないのだという熱意を伝えなければならない。
スキルでは経験者に負けるかもしれないが、ほかに何か勝てる点がないか探して全力アピールをするのだ。
先方は忙しいので長文は避ける。かつ要点をあまざす盛り込む。
これらのバランスを考えながら、何度も練り直して提出する。
誤字脱字は絶対に避けなければならない。ここで日本語・文法が破滅していては話にならないので、集中して読み直す。
時間に余裕があれば、寝かせて翌日に応募することもある。
応募したら、連絡が来るまで待つ。
ライターコミュニティではその間もどんどん応募したほうがいいと言われたが、わたしは一つ終えるまで新たな応募はしなかった。
連絡がこなければ不採用ということなので、また初めに戻って仕事を探す。
クラウドソーシングに向いていなかった
未経験者でも応募できるような案件はライバルが多い。
10件応募して1件採用されるかどうかの世界だ。
だから初めのうちはとにかく数を重ねるべきだとよくいわれる。
わたしは一度に10件応募するなんてできなかった。
そもそも書きたいジャンルの募集が少なく、週に1件見つかるかどうかという具合だった。
そこに石橋を叩きまくる性格が上乗せされて
いつまでたっても仕事ができない状況に陥ってしまった。
手当たり次第に応募するのは危険だが、神経質すぎるのも考えものだ。
わたしはクラウドソーシングに向いていなかった。
慎重さを保ちつつも、大事な場面では思い切った行動に出る勇気が必要である。
私の失敗が誰かの成功につながりますように。
最後までご覧いただきありがとうございました。