案件応募の際にはさまざまな点に注意しなければならない。
優先度は低めながらも重視してほしい点が「実績公開可能な案件かどうか」である。
わたしが契約していた会社は実績公開NGだった。
つまり「この記事はわたしが書きました」とアピールしてはいけない。
初めは仕事をもらえるならと意気込んでいたので、そこまで気に留めなかった。
しかし次第にもどかしさが募っていく。
どれも全身全霊を込めて書いた記事なのに、実績として公開できるものが一つもないなんて悔しすぎる。
苦労が無駄になっているような気がしてならなかった。
ポートフォリオを作れない
Webライターの営業活動にはポートフォリオ（自身の作品集）が必要だ。
とはいえ実績がなければ作れない。一つずつ案件をこなし、ある程度積み上げた時点でポートフォリオを作ることがとりあえずの目標だった。
しかし実績公開NGの案件しか受けなかったため、結局ポートフォリオを作れぬままWebライターを辞めてしまった。
ポートフォリオが無い場合は架空の記事を作って提示するしかない。
わたしはブログをやっていたので、その中でも検索上位に掲載されている記事を提示し仕事を獲得した。
しかしブログとクライアントワークは違う。
ブログは自分が思ったとおりに書くものだが、逆にクライアントワークは自分が思ったとおりに書いてはいけない。
たしかにブログでも文章スキルやSEOスキルの証明にはなる。
加えてWordPressを使えるなら、記事の入稿も可能だというアピールになる。
ただしクライアントニーズを汲んだ執筆が可能だというアピールにはならない。
クライアントワークでもっとも重要なのは、クライアントの意図を把握することだ。
つまりクライアントの利益につながるような記事を書く。
ブログも読み手に寄り添う必要はあるものの、運営者である自らの思うままに書けるという点で大きく異なる。
ブロガーではなくWebライターを目指すのであれば、クライアントワークの実績集を作らなければ始まらない。
自称Webライター
初めて報酬をもらい記事を書いたその日から「Webライター」を名乗って発信していた。
しかし実績公開ができないため、対外的には「ビジネス記事を書いています」というぼかした言い方しかできない。
もう少し踏み込んで「働き方改革に関する執筆が得意です」だとか「B to B記事の執筆可能」なんてカッコつけていたけれど、実績を公開できないなら何をどう伝えたところで同じだと思う。
言うまでもなく、新たな仕事にはつながらなかった。
書いた記事はすべてパソコンに残っているし、いまだ検索上位に掲載されているものもある。
しかし執筆者の名を自分以外の誰も知らないし知りたくもないのである。
これではあなた本当にWebライターなの？と疑われても仕方ない。
こうして体験談を語っていても、わたしがWebライターだった事実を証明できる記事はない。
誰も証明してはくれない。
所詮「自称Webライター」にすぎない。ないないない。
Webライターにとって実績公開はマスト
実績公開NGの仕事を受けたとしても、クライアントに掛け合うことで可能になるかもしれない。
たとえば記事の一部を変えるなどの条件付きで実績公開を許可するケースだ。
考えなくもなかったが、クライアントワークをこなすだけで精一杯だったわたしに
そんな余裕はなかった。
また、わたしはクライアントに対してあまり意見を言えなかったが
ライターとクライアントは基本的に対等である。
気になることがあれば遠慮なく聞くべきだったなと後悔している。
まず試しにクライアントワークをやってみる、という場合なら問題ない。
しかし慣れてきたら実績公開可能な案件を選び、ポートフォリオを作って次のステップに進んでほしい。
わたしの失敗が誰かの成功につながりますように。
ご覧いただきありがとうございました。